掲載:日刊建設工業新聞 2008/06/27

国交省研究会/「発注者別評価点」活用マニュアル作成/自治体に7月上旬通知

 国土交通省が設置した「地方公共団体における企業評価のあり方に関する研究会」(座長・高野伸栄北大大学院准教授)は26日開いた第3回会合で、自治体が入札に参加する業者の競争参加資格審査を行う際、発注者別評価点(いわゆる主観点)を活用するためのマニュアルをまとめた。発注者別評価点の設定方法や、審査の実施方法、活用方法などを示している。評価項目は、▽導入するべき項目▽導入が望ましい項目▽必要に応じて導入する項目▽個別ニーズに応じて導入する項目−という段階に分けて例示し、工事成績や技術力を主に評価するよう求めた。7月上旬には各自治体にマニュアルを通知し、年末に始まる各自治体による競争参加資格の定期審査に活用するよう促す。
 具体的な評価項目を見ると、「導入するべき項目」では、工事成績、技術力、安全対策を主なものとして示した。工事成績については、自発注分のほか、都道府県など他機関の工事成績評定結果を活用することも可能とした。技術力では、国家資格に加え、民間資格などの保有状況を考慮するとしたほか、技術者の雇用状況、優良工事表彰歴、VE提案の採用状況、継続教育制度(CPDS)実施状況といった項目を挙げている。安全対策では、安全対策を実施する団体への加入や、建設業労働安全衛生マネジメントシステム(COHSMS・コスモス)の取得状況の評価なども盛り込んだ。
 「導入が望ましい項目」には、災害発生時の活動実績や防災協定の締結状況、これらの地域貢献を行う団体への加入状況などを挙げている。「必要に応じて導入する項目」では、指名停止や監督処分といった不正行為による処分をマイナス評価することを例示した。
 発注者別評価点と経営事項審査による評点(客観点)のウエートについては、地域の実情を考慮する必要があることから、ウエートを設定するための簡易シミュレーションの方法を盛り込んだ。また、評価項目の検討で第三者機関の意見を聴くことが適当だとした。
 公共工事の入札では近年、一般競争が拡大しており、各発注者が建設業者の施工能力を適切に見極めることの重要性が高まっている。このため、競争参加資格審査の段階で工事成績などを踏まえた発注者別評価点の導入が必要とされているが、約6割の市区町村では導入されていないのが実態。国交省はマニュアルを作成することで導入を促す。
 発注者別評価点は従来「主観点」と呼ばれていたが、発注者の恣意(しい)的なイメージを持たれないよう呼称を変更している。